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2008年04月18日

富田十勝

歴史が偲ばれる景観

富田十勝

先日、ぶらっと三輪神社まで出かけたら、ちょうど桜まつりの開催中でした。
富田の漢詩人、坂田十松さんが富田の風景10箇所を詠んだ「富田十勝詩」のパネル展も開催されていたので見てきました。

現代は、「高槻のええとこブログ」で高槻のええとこを紹介していますが、むかしは、このような漢詩で「富田のええとこ」を紹介していたのですね。

富田十勝

「富田十勝」とは次の通りです。

天神山紅葉(昭和台町)
築山紅梅(教行寺
柳川蛍火(柳川)
筒井池夕照(筒井池
前野帰牧(柳川町・西町)
別院松籟(本照寺
塔前桜花(慶瑞寺
三輪清曉(三輪神社
古墳鳴蛩(清蓮寺
獅林暮鐘(普門寺

三輪神社を詠んだ部分は、

「瞳々の紅日は宮庭に耀き」
 (朝日がのぼってきて、三輪神社の庭は輝いています)
「春は暖かに瑤階寶鈴響く」
 (暖かな春の日で皆が鈴を鳴らしてお参りしています)
「瞻仰す旱時斉しく雨を祷る」
 (日照りが続いた時は、氏子たちはお宮さんを敬って雨ごいをしていたものです)
「傲然たる廟貌は威霊を現す」
 (おごそかな本殿にお参りするとご威光があらわれるのです)

(参考)
瞳々(とうとう)=朝日のこと
寶鈴(ほうれい)=鈴
瞻仰(せんぎょう)=敬う
旱時(かんじ)=日でり

富田十勝

なお、坂田十松さんの生家の前はいつも通っている道だということがわかったので、後日写真を撮ってきました。入り口が三つあって用途によって使い分けされているのだそうです。

いつも通っているのに入り口が三つもあるとは気がつきませんでした。

撮 影 日  2008年4月6日
撮影 場所  富田町4丁目(三輪神社)(地図
投 稿 者  kishie

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富田十勝


タグ :富田神社

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Posted by 高槻市  at 08:09 │Comments(10)

この記事へのコメント
投稿者:いわけん
kishie様

高槻関係の漢詩人としては藤井竹外しか知らなかったので、富田十勝詩のお話はとても興味深いです。

「雨乞いの祈り」と言うと「日本昔話」の世界ですが、漢詩で表現されると神話的なイメージで楽しいですね。

昔の人が高槻の風景を詠んだものには他にどんなものがあるのか知りたくなりました。ありがとうございます。
2008年04月18日 09:30
投稿者:kishie
いわけん様

実は、私もたまたま三輪神社に出かけてパネル展を見るまで知りませんでした。

他に高槻の風景を詠んだものとして、原八景というものがあると聞いたことがあります。

今検索して探してみると、この高槻ええとこブログでも少し触れられているようです。

http://takatsuki.osakazine.net/e74372.html
のせいろうさんという方のコメントに少し書かれています。

大森晴嵐
宮下落雁
横山秋月
京坂帰牛
河原夕照
本山暮雪
神峰夜雨
浄圓暮鐘

まではわかるのですが、それ以上のことはまた他の方がコメントしてくださるのではと思います。
2008年04月18日 11:14
投稿者:かね子
漢詩の表現は、とても端的でかっこいいなあとあらためて気づかされました。

生家のお宅、私も前を通ったことがあります。富田は歴史を伝えるものがいろいろ残っているのですね。
2008年04月18日 11:15
投稿者:kimama
「富田十勝詩」!
まだまだ、見るとこ撮るとこありますね。

情報ありがとうございます。

一つ前のいわさきさんの記事にコメント入れたいのですが入れるところが見えません。
イナイチの桜、JRの桜、阪急の桜、淀川の桜?でしょうか。
大阪京都と結ぶ大動脈ですね。
2008年04月18日 16:02
投稿者:まやぺ
原八景は、神峯寺の近藤住職が明治26年に提唱したといわれています。
原の魅力をあますとこなく紹介した詩といえるのではないでしょうか。(すでに見当たらなくなってしまっている場所もありますが・・・)
漢詩を訳したものです。和訳は自己流なのでおかしなことろがたくさんあると思いますが、雰囲気だけでも味わっていただければ幸いです。

大森晴嵐

一林斜日菱宣晴  一林の斜日菱宣しく晴れ
         (林の中で日が傾いてはまた晴れてくる)
人立田頭為力耕  人田頭に立ちて力耕を為す
         (農夫が田んぼを耕している)
時自半空新樹際  時半ばより空樹際に新たなり
         (木々の緑はいっそう際立って見える)
雨余嵐気送清声  雨余の嵐気清声を送る
         (雨あがりに青々とうるおう山気は清らかですっきりしている)

宮下落雁

西声芦荻早驚秋  西声の芦荻早く秋を驚かす
         (芦や萩が出てきたことで秋が早くも来たことに驚く)
字乱翩々雁落洲  字乱れて翩々(へんべん)として雁洲に落つ
         (飛んでいる雁の群れの列が乱れて川岸に降り立つ)
月下清風難去底  月下の清風底を去り難し
         (月下に清らかな風が吹いて雁は低く飛んでくる)
相呼相喚立江頭  相ひ呼び相ひ喚びて江頭に立つ
         (雁はお互い呼び合って川のほとりに立つ)

横山秋月

閑吟清賞到更闌  閑吟清賞して更闌に到る
         (静かに歌う声が清らかに響いて更に夜更けに至る)
月在天心磨玉盤  月天心に在りて玉盤を磨く
         (月は天の中心にあって寺を照らしている)
林際詠帰風露爽  林際の詠帰風の露爽かなり
         (林の際で風が吹いていて露も爽やかである)
一村秋色笛声残  一村の秋色笛声残れり
         (村はすっかり秋の色でどこからともなく笛の音色が聞こえている)

京坂帰牛

晨負炭薪晩入山  晨炭薪を負い晩山に入る
         (朝炭や薪を背負い晩に山に入る)
群牛相追澱江湾  群牛相ひ追う澱江の湾
         (群れている牛は澱江の湾あたりにつながって歩いている)
平生得々降西坂  平生得々として西坂を降る
         (牛は普段はもくもくと西坂を降りている)
知有役形労後閑  有役の形労後の閑を知る
         (使役をさせられた後牛はのんびりしていることだ)

河原夕照

垂柳垂楊緑満塘  垂柳垂楊の緑塘(つつみ)に満ち
         (柳の緑が川端に満ちている)
枝々影暗映斜陽  枝々の影暗斜陽を映す
         (枝々の影で沈んでいく日の光が映っている)
水禽鳴噪送烟岸  水禽鳴き噪(さわ)ぎ烟岸に送る
         (水鳥が鳴き騒ぎけむりは川岸に流れている)
万叡一川如醉郷  万叡一川は醉郷のごとし
         (たくさんの山の間に流れる一本の川はまるで仙人の里にいるようだ)

本山暮雪

高峰削玉白皚々  高峰玉白を削りて皚々(がいがい)
         (高い山々は玉を削ったように真っ白だ)
恰似空中ゆ素開  恰かも似たり空中ゆ素より開く
         (あたかも空の中からゆ素が開いているかのようである)
乍暗乍明遥似迎  暗き乍ら明き乍ら遥かに迎ふるに似る
         (遠くで暗くなったり明るくなったりして迎えにくるようだ)
寒烟一縷認天台  寒烟の一縷天台を認む
         (寒さに煙っているなかかすかにお寺を見ることができる)

神峯夜雨

渓山無尽旧香台  渓山尽くること無き旧き香台
         (谷と山は尽きることがなくその間に古いお寺がある)
常見雲烟鎖水隈  常に見雲烟を見るに水隈に鎖す
         (常に雲に霞んでいるように見え、人を寄せ付けないように川が曲がりこんで閉ざされている)
夜々蕭條微雨至  夜々蕭條として微雨至り
         (夜には細々としめやかに小雨が降り出す)
声々偏和石泉来  声々偏えに石泉に和し来る
         (雨音はひたすらに山中の石の間から流れる泉と重なって聞こえる)

浄円暮鐘

春色闌于斜日中  春色日中を斜に闌(さへ)ぎり
         (春の色は日が傾いても広がっている)
竹林一角鎖禅宮  竹林の一角禅宮を鎖(とざ)す
         (竹林に閉ざされるように竹林の一角に寺がある)
老僧撞出華鯨響  老僧撞き出す華鯨の響
         (老僧がつく釣鐘の響きが聞こえる)
片々落花誰恨風  片々たる落花誰か風を恨まん
         (切れ切れに花を散らせる風を誰が恨んだりするだろうか)
2008年04月18日 18:01
投稿者:いわけん
kishie様、まやべ様

原八景のお話、ありがとうございました。
高槻で育ったのにこんな事も知らず少し恥ずかしいです。

「垂柳・垂楊、緑は塘(つつみ)に満ち、枝々の影暗は斜陽に映ず」辺りは今でも分かりますが、「炭薪を負う」とか「群牛相い追う」などは、映画の世界ですね。

近江八景には及ばないかも知れませんが、昔の高槻人もええとこ意識は強かったようですね。貴重な事を教えて頂いてありがとうございました。
2008年04月18日 18:54
投稿者:せいろう
「原八景」は昨年の景観WSで原地区を担当した「かん×3」チームの活動の中で知りました。
明治26年に神峯山寺の住職になった近藤鶴僊師が作った「原八影之詩」という漢詩からきています。師は、「原八景」をつくって地域の文化と寺を結びつけ、同時にこの地の生活を楽しもうとしたそうです。鶴僊師は多くの学者に師事していますが、その中に漢詩人・藤井竹外も含まれています。(参考文献:『高槻全誌』『ふるさとの風土 高槻』 高槻市中央図書館所蔵)

「かん×3」チームでは「原いっぱいマップ」を作成し、その中に地元の方の協力を得て八景の場所を表示しました。マップは原地区の自治会館(4箇所)などに掲示されています。
今年、帰郷の土産に、畑中農園「とかいなか惣介蔵」でどぶろくを買いましたら、原いっぱいマップをくれました。マップが活用されていることを実感し嬉しくなりました。
2008年04月19日 06:32
投稿者:kishie
かね子さん

以前は、富田でしょっちゅう迷子になっていたので、好きになれなかったのですが、最近は、歩くたびに新しい発見のある素敵なところだなぁと思っています。(今でも迷子になるのですけれど)
歴史を伝えるものがいろいろ残っていてもそれをわかる目がないと台無しですね。富田のこともっともっと知りたくなってきました。

kimamaさん

富田はゆっくり歩けばいろんな発見のある歴史の古い町ですね。
是非是非新しい発見を紹介してくださいね。

まやぺさん

原八景のご紹介ありがとうございます。
原も富田も自分達の住んでいる町に誇りを持って暮らしていらっしゃる方が多いのでしょうね。
以前、「お友達があなたの町に立ち寄られたらどこを案内しますか?」と聞かれたことがあります。わたしも、高槻の魅力を余すことなく紹介できるようになりたいなぁとつくづく思います。高槻市民として、自分にできることがあれば積極的に参加していきたいと思います。

せいろうさん

原八景のこと教えていただきありがとうございます。
「原いっぱいマップ」ほしいなぁ・・・ 
マップを持って原を歩いてみたいです。
2008年04月20日 10:46
投稿者:ひらっち
先日ですが、「46年まえの原」という、とある方が製作された映像作品を見る機会がありました。原分校の授業風景に始まり、寒天干しの作業風景、当時の蛇まつりの様子など、モノクロの貴重な動画でした。

誰が撮影したのか出所はわからないのですが、46年前にも原の原風景を後世に伝えたいと考えた人がいたということですね。近藤住職が原八景を提唱されたという明治26年というと、117年前・・・ですが、まやべさんに解説いただいた漢詩を読ませていただいて、先日の46年前の映像、そして今の風景とを重ねると、原地区の魅力がこれまで以上に理解できたような気がします。
2008年04月22日 00:55
投稿者:いわけん
ひらっちさんのご覧になった「46年前の原」という映画は面白そうですね。どうすれば見られるのでしょうか。
昔の高槻がどんな様子であったかを知ることはこれからの高槻を考える上で非常に大切だと思います。昔の高槻の写真があれば見てみたいものです。
2008年11月02日 23:20
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高槻市役所と「高槻大好き市民」が運営するブログです。
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