2008年06月22日
モリアオガエルさん こんにちは! <後編>
河川・水辺の景観
「蛇に見込まれた蛙」という言葉がありますように、蛙の天敵は蛇。 そのためモリアオガエルは年中森の木の上で、昆虫やクモを食べて暮らしますが、この時季だけは産卵のため止むを得ず池に集まって来ます。
枝葉の間に潜むモリアオガエル。
森から出て来たモリアオガエルは、産卵のため池の木に集まる。
それを狙う蛇も集まるので、見つからないように昼間はジッと隠れている。
「あそこに、いるよ」 と言われても、なかなか見つけられない。
メス オス
木の上を棲家としているので、手足の吸盤が発達している。
オスはメスの半分ぐらいの大きさである。
産卵は夜間に行われるので、見るのは難しい。
オスがメスの背中にしがみつき産卵行動が始まるが、多くの場合、数匹のオスが群がる。
オスに抱きつかれたメスからは、尿と共に粘液が分泌され、この粘液をオスとメスが足でかき回し白い泡の塊を作る。
その泡の中にメスが300~800個の卵を産むと、オスが精子を放出しながら、メスと共に泡をかき混ぜ受精。
産卵時間は数時間から、時には一晩中もかかるそうだが、その間、全神経を集中しているので、天敵に襲われる場合もあるというから命がけだ。 産卵が終わると安全な森へメスはすぐ帰るが、オスは次のメスを待つのかすぐには帰らないそうだ。
1~2週間たつと孵化したオタマジャクシが、雨の日に崩れだした泡の塊と共に水面へ次々と落下する。 オタマジャクシは藻類や動物の死骸などを食べて育つ。この間の天敵はヤゴ、ゲンゴロウ、イモリなど。 それらから逃れたものが1ヶ月ほどでカエルの姿になり上陸し、しばらく水辺にいて、やがて森で生活を始める。
卵塊 オタマジャクシが出る前 オタマジャクシが出た後
モリアオガエルは名前が示すように、広葉樹林の森に棲んでいます。広葉樹林には人工の針葉樹林と違って、猪や鹿から昆虫やミミズ・微生物まで、さまざまな生き物が棲んでいて生態系を保っています。
もし、カエルツボカビ症で蛙がいなくなったら? と先生に質問してみますと、言下に、マラリアが蔓延するでしょう。との答え。 蚊だけでなく、蛙は稲の害虫を食べるから、いなくなれば凶作になるだろう。
1種類でも生き物を絶やせば、生態系のバランスが崩れ、他の生物が激減、または絶滅するだろう。そんなことが広がっていけば、やがて人間の暮らしが成り立たなくなるだろう。
人類の歴史は他の生き物を犠牲にして発展してきた。そのツケが温暖化などの地球環境問題として顕在化してきたのではないだろうか。これ以上生き物の種を絶やさないことが人類の課題であり、人間という種が存続できる道だと思います。
緑化森林公社では、豊かな里山を守ろうと年間20余回もの行事を行い、多くの方が汗を流してくれていますが、さらに新規事業として、「神峰山の森」「萩谷総合公園」「摂津峡公園」の森林整備参加ボランティアを募集しています。
撮 影 日 2008年6月8日
撮影 場所 萩谷(萩谷総合公園)(地図)
投 稿 者 せいろうwithモリアオガエル調査隊
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Posted by 高槻市
at 14:28
│Comments(1)
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でもモリアオカエルという蛙がいるなんて、知りませんでした。木の上で生活しているんですって?そしてもしいなくなったら、マラリアが蔓延するなんて、驚き!
生態系を破壊していくと、とんでもないしっぺ返しがやってくるのですね。
消極的ながら、自然を壊さない生活を日々実践していこうと思いました。
せいろうさんいろいろ教えてくださり有難うございました。